2025年 1月〜3月に読んだ本・読んでいる本

カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」
長らく積んでいた新書。日本中にあるナンカレー屋の裏にある歴史的、社会的、文化的な背景について追いかけたジャーナリストの話。とてもおもしろかったし、カレー屋に行くたびにこの本を思い出すことになった。
偶然の科学
去年末に読んだ『不道徳的倫理学講義 ─人生にとって運とは何か』から、今年は「偶然性」をテーマにした本を読んでいる。これはそのうちのひとつ。
だが悲しむべきことに、われわれは経済を運営したりふたつの企業を合併させたり本の売れ行きを予測したりするよりも、惑星間ロケットの航路を計画するほうがはるかにうまい。それならどうして、ロケット科学はむずかしいように 見え、それよりずっとむずかしいと言ってもいい、人間にかかわる問題は単なる常識の問題であるかのように 見えるのだろうか。 本書でわたしが論じるのは、この矛盾の鍵は「常識」そのものにあるということだ。
社会の「常識」が、社会科学が、いかに「偶然」を扱えていないかということを述べている。この本は既存の社会科学に対する革命を起こそうとする。
言い換えれば、われわれは結果の原因をひとりの特別な人間に求める誘惑に駆られるが、この誘惑はわれわれがそのような世界の仕組みを好むからであって、実際にそのような仕組みになっているわけではないことに留意しなければならない。…このようにして常識に基づく説明は、 なぜ物事が起こったかを教えているように思えても、実は 何が起こったかしか述べていないのである。
マートンのことばは正しい。社会科学はいまだに自分たちのケプラーを見いだしていない。しかし、アレグザンダー・ポープが人間の適切な研究課題は天上ではなくわれわれのなかにあると説いてから三〇〇年後、われわれはようやく自分たちの望遠鏡を手に入れたのである。 さあ、革命をはじめるとしよう……
賃金とは何か 職務給の蹉跌と所属給の呪縛
「ジョブ型雇用」「メンバーシップ型雇用」について考えるにあたってこの賃金体系についての知識は不可欠だと思った。おもしろかった。
働くということ 「能力主義」を超えて
去年『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を読んだときから類書として気になっていた、「働く」について考え直す本。特に「働く人」として「能力」を評価され選別されることと現代の生きづらさについて。社会構造の原因を教育の問題に還元してしまわないのが共感できた。
この本を読んだあと、完全に勅使河原ワールドに飲み込まれてしまった。以下は立て続けに読んだ勅使河原真衣さんの著作。
「能力」の生きづらさをほぐす
「これくらいできないと困るのはきみだよ」?
格差の"格"ってなんですか? 無自覚な能力主義と特権性
メタフィジカルデザイン
前々から哲学カルチャーマガジン『ニューQ』の読者であり、瀬尾浩二郎さんのファンでもあったので、この本が出るのはとても楽しみだった。出版記念イベントでサイン入りの本を買っていたので早く読みたかった。中身ももちろんおもしろかったし、デザイナーにおすすめしたい。
読んでいる本
- これからの「正義」の話をしよう
- マイケル・サンデルの名著。「偶然性」と「正義」はセットで考えなければならないということを『不道徳的倫理学講義 ─人生にとって運とは何か』で教えられた。
- Good Code, Bad Code 持続可能な開発のためのソフトウェアエンジニア的思考
- 積読になっていたが、読み始めたら予想以上におもしろい本だった。近々リファラジでも話す予定。