Marginalia

アドベントカレンダーに参加してほしい

これはあくまでも僕が主催するアドベントカレンダーについてはこう考えているということであって、世のアドベントカレンダーに言いたいことではまったくありません。そして主題はただひとつ、「アドベントカレンダーに参加してほしい」ということです。


まず「コミュニティ」について、僕はそれが何についてのものであれ、「共同体」であって、互助的で、互恵的なものであってほしいと思います。それはつまり、誰か「サービス提供者」がいて、そのサービスを享受する「お客様」が集まっているわけではない、ということです。コミュニティでは誰もが対等に「参加者」であって、誰かが困ったときには助け、逆に自分が困ったときには助けてもらうというのが、コミュニティが存在する意味であると思います。

つまり、コミュニティとはどこまでも「関係」であって、そうした共同体的な関係が成り立ってないのなら、それはコミュニティとは呼べない、ただの人の群れでしかないのでしょう。


で、僕は日本のプログラマーシーンの中で定着したアドベントカレンダー文化は、少なくとも開発者コミュニティにとって、「そこにコミュニティがあること」を確認することができるイベントのひとつだと思います。なぜなら、アドベントカレンダーを完成させるというプロセスには、コミュニティから受け取るだけでなくコミュニティへ貢献する気持ちを持った協力者が、少なくともそこに25人分必要になるからです。

コンテンツとして記事が増えることも間違いなく利点ではありますが、それだけなら別にイベントじゃなくてもいつでもブログは書けるし、書かれています。それをあえて非効率的なイベントにするならば、共同プロジェクトであるということの意味を大事にしたいと思います。


このように考えているので、できれば一人で複数の枠を埋めてどうにか完成させるということはやりたくありません。埋めたいという人がいればそれを止めることはないですが、誰かが自己犠牲的に取り繕ったところで、そのコミュニティの大半が共同プロジェクトに対して非協力的であるということは変わらないですから。

自分の好きなものやそれに関するコミュニティがそんな寂しいフリーライダーの集まりだとは思いたくないので、「そこにコミュニティがあること」を確かめるためにアドベントカレンダーを主催しているし、できれば25人で完成させたいと思っています。僕が「アドベントカレンダーに参加してほしい」とお願いする理由はそれだけです。役に立つ「いい記事」を書こうとしなくても、コミュニティに対して関心を持って、手を挙げて参加してくれることだけでこれ以上ない大きな貢献です。ですので、何卒、何卒…